糖尿病と認知症について

こんにちは(^^)管理栄養士の江良です。

今回のテーマは、「糖尿病と認知症の関係」についてです。

国民健康・栄養調査からみる糖尿病について

2019年に厚生労働省から発表された「国民健康・栄養調査」によると、

「糖尿病が強く疑われる者」の割合は成人男性で 19.7%、成人女性 で10.8%になります。

成人男性では5人に1人、成人女性では10人に1人は糖尿病が強く疑われているという割合です。

糖尿病の合併症は網膜症・腎症・神経障害(3大合併症といわれています。)が知られていますが、実は認知症も糖尿病の合併症として注目されています。

認知症とは

認知症は「生後いったん正常に発達した種々の精神機能が慢性的に減退・消失することで、日常生活・社会生活を営めない状態」のことをいいます。

(厚生労働省 知ることから始めよう みんなのメンタルヘルス 総合サイト「認知症」参照)

認知症は、脳の障害や病気など様々なことが原因となり発症するといわれていまが、まだ解明されていない部分も多々あります。

福岡県久山町で行われている研究では、糖尿病の人は通常の2.1倍、耐糖能異常の人は1.6倍アルツハイマー型認知症を発症するリスクが高くなることがわかっています。



糖尿病になると認知症になる可能性が上がるのはなぜか。

糖尿病では、高血糖の状態が長く続くことで血管を傷つけ、動脈硬化を起こしやすくなります。

動脈硬化になると、必要な栄養や酸素が全身に行き渡りにくくなります。すると、脳に「アミロイドβ(アルツハイマー型認知症の原因物質と考えられている)」と呼ばれる老人班が蓄積しやすくなります。

また、動脈硬化が進めば脳梗塞を引き起こす可能性も高くなり、その後遺症として「脳血管性認知症」を発症してしまう場合もあります。アルツハイマー型だけではない認知症のリスクも上がるという事です。

認知症は治るもの?

認知症は今のところ治るものはごく一部で、あとは症状が進行するのを遅らせることしかできません。少しでもリスクを回避するために、また、その他の合併症を防ぐためにも、糖尿病の予防や進行を防ぎましょう。