減塩のポイントは味覚にあり①

こんにちは、管理栄養士の江良です(^^)
今日は味覚のお話です。

味覚とは…
五感(視覚、嗅覚、触覚、聴覚、味覚)の1つであり、味覚はその中でも5つの味の基本味(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)があります。

減塩をする上で重要になる塩味ですが、実は感じづらくなってしまうことがあります💦その原因は、①味覚の閾値上昇、②味蕾の減少、③唾液の減少・口腔内の乾燥、④病気や服薬、⑤亜鉛不足などです。

①味覚の閾値上昇

閾値(いきち)とは、簡単に言うと味を感じるレベルが上がってしまうことです。
例えば、田舎のおばあちゃんが作るみそ汁は、味付けが濃いと感じたことはありませんか?これは、歳を重ねることで味を感じるレベルが上がり、徐々に味付けが濃くなってしまうからです。
高齢者で血圧が高くなりやすいのも、この閾値が上昇していることも影響があるかもしれませんね。

②味蕾の減少

味蕾(みらい)とは、舌にある味を受け止める器官です。ここから神経を通って脳へ到達し、甘いとか辛いなどの味を感じるようになります。これらは思いもよらないスピードで行われるので、まるで舌で味を感じているような錯覚になります。不思議ですね。
この味蕾ですが、歳を重ねるごとに数が減少することが分かっています。
子供の頃、茗荷や春菊などを苦いと感じたことはありませんか?これは、子どもは大人よりも味蕾の数が多く、味を感じやすいからともいえます。
苦みのあるものが食べられるようになったのは、ある意味成長した証拠でもありますね!


③唾液分泌の減少・口腔内の乾燥

唾液は、消化を助けたり、口腔内の清浄だけではなく保湿も担っています。唾液の分泌量が減ると、口の中で炎症が起こり味覚を感じにくくなります。自覚症状がある場合は、一度病院で検査してもらったほうがよいかと思います。

④病気や服薬によるもの

糖尿病や糖尿病性腎症などでも味を感じにくくなることがあります。それは、糖尿病では末梢神経が阻害されることで脳で味を感じにくくなってしまったり、糖尿病性腎症では腎臓に障害が起こり、尿への亜鉛排泄量が増えることで味覚を感じにくくなります。
その他、高血圧・糖尿病などの服薬には、利尿作用を促すことにより亜鉛の排出を促進したり、亜鉛の働きを低下させたりするものがあります。そのため、味覚を感じにくくなってしまうのです😢

⑤亜鉛不足

④でもお話した「亜鉛」は、タンパク質やDNAの合成に関与しています。その亜鉛がなぜ味覚に大きく関係しているのでしょうか?
亜鉛は味蕾をつくるために必要なため、不足すると味を感じにくくなるなど味覚障害の可能性が高くなります。

亜鉛は様々な食材に含まれておりますが、牡蛎やウナギなどが特に多く含まれています。魚介類といっても良いですね。
反対に亜鉛不足になる食事は、偏った食事、亜鉛の吸収阻害をおこす食品添加物が多く含まれる加工品やレトルト食品の過度な摂取などです。過度なダイエットでも、亜鉛不足になることが知られていますので要注意です!

長くなってしまったので、に続きます。